NPO会報によせて

 気候変動によって世界中で、人間が生き続けるための状況を維持しようと動き始めました。2030年までに、販売する自動車を電気にしようというのは象徴的です。テスラが先陣を切り、既存の会社が追いかけています。

 私は3年前から生活をする場所が変わり、生まれ育った場所に居る時間が長くなりました。近所には昔からの知り合いがいて、かつての同級生もいるようです。ある会合に参加したら、私の向かいに座っている人に隣の人が話し掛け、「私の妻と同級生なんですってネ。〜年生まれで〜小学校ですよネ」と聞こえてきました。ん?ということは僕とこの方は同級生ではないかと思い、「あ!それじゃ私もそうです。担任は〜先生でした」ということがありました。お名前をお聞きしても失礼ながら小中9年間も一緒なのに全く思い出せません。家に帰って卒業アルバムをめくってみると、こんな奴もあんな奴もと思い起こしてみましたが、それでもほとんど下に書いてある名前と顔は一致しません。中学の担任の先生の顔を見ていたら、クラスが変わり先生が自分の名前を書いて紹介していただいた時のことを思い出しました。確か、先生は前任地がインドネシアかタイの学校で教えていらして、その時に黒板にチョークで「工夫」と書かれました。読み方が難しいのですが「くふう」ということを説明してくれたのでしょうが、何を意図されたかまでは憶えていません。でも、大切なことなのだと思ったからこそ、思い出したのでしょう。

 欧米や中国ではドラスティックな変化があるにもかかわらず、いかにも日本では遅々とし進まず、焦燥感や取り残されているのではないかという思いが募ります。10月から書道教室を始めることにしました。お手本を置いて写していきます。下手ですが、受け継ぎ、積み重ねるという工夫によって、踏襲する発見という幸せを実感できるのではないかと楽しみにしています。


NPO法人 ロータスプロジェクト代表
及川一晋

「LotusNews」37号に掲載