OMOYAが始まります

 「どうしてなのかな」とくさくさとした気になることはありませんか?寝不足であるとか、お腹が痛いといった体調によることもありますが、他人のことが気に掛かり、「どうにかならないのかな」とふと心が重くなることがあります。

 さて、お檀家の皆さんや近隣にお住まいの方々や、その他にも大勢の片々のお力添えや、私の気付いていないのかもしれない不可思議な事々によって、二年以上にわたり準備をしてきた『日蓮大聖人御降誕八〇〇年事業』のほとんど全てが、まさしく円成(大成功)いたしました。わずか四年しか勤めていないのに、四百数十年の寺史に足跡を残すことがもうできてしまいました。普通ならばこれでもう務めはお終いと思ってもいいのでしょうが、あれもこれもと新しい想いが涌いてきます。事業の決算などはもう少しお待ちください。改めてご報告いたします。

 『コロナ禍』前から各家に『年回忌法要のご案内』を御命日の数ヶ月前に葉書でお届けするようにしてきました。宛名を書くのが私の担当なので、大正十二年にお亡くなりになった方が今年は第百遠忌に当たることに気付きました。九月一日は『防災の日』で、小学生の時には放送が流れると頭巾を被り、机の下に体を隠したのを思い出します。八王子に当時どれほどの揺れがあり、被害があったのかを知りませんが、過去帳には八人の記名があります。本立寺は都や市と災害協定を結んでいるので、地域の人々にとってのいざという時の確実な依り所にしなければなりません。

 昨年から日常での憩いの場を造っています。天神町の『ぼうけんひろば』のすぐ近くに、九月には完成し運営を始めていきます。ご興味のある方は「八王子天神町OMOYA」と検索をしてみてください。動物は群れをつくり生きてきました。血縁・地縁による共同体にそれぞれがそれぞれの志を尊重しあえる空間を作ってまいります。そこで行われることが多くの人の心を軽くするきっかけとなることでしょう。乞うご期待。

「山風」 91号 掲載