今年も「信たりて宝をなす」

 春の始の御悦びを申し上げます。

 私は本立寺の住職として、地元仏教会や七福神会の仕事もしています。感染拡大が続く中でいかに人々にお寺に来ていただくかを模索し、毎年恒例の元旦から十日間の『八王子七福神めぐり』を行うことにしました。

「御朱印」受付時の「蜜」を避けるために、ビニールの仕切りを設け一定間隔で並んでいただき検温や消毒の励行、予め染筆した紙に捺印してお渡しします。期間中には昨年から始めた八王子中町の芸妓衆による仏前『奉納舞』も正月三日に開催します。LINEによる事前申込み定員制にしました。

八王子市が昨年六月に『日本遺産』に登録され『霊気満山 高尾山 人々の祈りが紡ぐ桑都物語』として観光振興をはかっています。数ヶ月前から市の観光課に、日本遺産と七福神めぐりをコラボしませんか?、と提案をしたところ即答していただき、とても難しい後援登録をいただきました。

このことによって、市内のさまざまな場所でポスターやのぼりの掲示やチラシの配布をおこなうことができ、協賛店が増えホームページに掲載し、市内各所にある「日本遺産ポイント」も含めて「めぐる」際の楽しみを増やしました。例年1万人以上が参拝してくださっていますので、今年はさらに多くの方に「祈りで市内を紡いで欲しい」と思っています。

 今、世界はものすごい速さで変化をしています。セクシャル・ハラスメントに対する「#Me too」運動、気候変動に対するグレタ・トゥーンベリさんの訴え、人種差別撤廃を訴える「ブラック・ライヴズ・マター」といったことは、トップダウンによるヴィジョンの提案では求心力を持たないことを示しているようで、SNSにより個別の問題をいかに意味をもたせボトムアップしていけるかがリーダーに必要な資質になっているのではないでしょうか。地に足をつけた活動が伴っていなければいけないということです。

私のさまざまなその他の活動(学童保育、フードバンク、奨学金給付、プレーパーク)が比較的狭い地域の情報媒体に注目され、取材が増えてきました。延寿院でおこなってきた「里山墓苑」は大きなことを言えば、「循環型社会」を目指す活動で、十年が経ちました。もうひと頑張り、里山保全活動や墓苑の経営に力を注ぎ、そこに集まる方々を共感の同士としていきたいと考えています。

 皆様が心穏やかに本年一年を過ごせますよう、元旦より祈念しております。

「延寿」372号 掲載