里山保全活動

 今冬は本格的な雪が降らないままに、春を迎えそうです。昨年からお寺に住んでんでいないので、正確ではありませんが、境内を薄っすらとでも白く染めたのは一度きりで、雪かきの手間はかかりませんでした。境内が白い絨毯となるのは、ひんやりとした空気をともなって鮮烈な気持ちを臓腑のすみずみまでもたらすようです。雪の日の犬との山歩きもいいものだったと、懐かしく思い出します。

 さて、住職となって寺に住むようになって以来、暇を見つけては隣地など周囲の雑木林に鬱蒼とある笹の刈込みを勝手にやり、七年前にNPO法人を設立してからは月に一回のペースで数人の同士とともに「里山保全活動」と称して、更に範囲を拡げ裏山の林道沿いをきれいにしてきました。笹や竹に埋もれていた山桜の大木や「古墳」とも「狼煙台」とも比定されている小山が、裾野まで姿を現すようになりました。地面に光が差し込むようになったからか、ツツジがたくさんの花を咲かせるようになり、春には隠れた名所のようです。どこまで人が手を差し伸べていいのかな、とも思いますが、自然と人界との間にあるのが里山なのだから、恩恵を授かるのに適度なバランスを見つけながら、更に延寿院の良さにも結びつけていきたいものだと考えています。どうかお檀家の皆様も保全活動にご参加ください。楽しいですよ。

 次回の里山保全活動

 三月二十八日(木)十時~十二時まで

「延寿」362号掲載